自然教室を経た生活綴方(4年生)
「生活綴方(せいかつつづりかた)」とは、子どもたちが日々の生活や体験をもとに、自分の思いや考えを文章に綴る学習です。
単なる出来事の羅列ではなく、その中で心が動いた瞬間や、そこで感じた思いを、自分の言葉で素直に表現することを大切にしています。
自分の生活を見つめ直し、心に浮かんだ気持ちや考えを文章という形にすることで、子どもたちは自分自身をより深く知り、また、他者に自分の体験や思いを伝える力を育んでいきます。
この「生活綴方」の考えは、現在の学校教育においてさまざまな部分で生きています。その一つが国語科における「さくぶん」の時間です。国語科における作文学習は、子どもたちが「自分を生きる力」を身につける大切な学びの場でもあります。
さて、2泊3日の自然教室を終えてまもない子どもたち。
今朝の学校には、いまだ残る少し日焼けした顔と、たくさんの思い出を抱えて元気に登校してきました。
疲れが残るかと思いきや、教室では「こんなことが楽しかった!」「僕の班はウミガメをみたんだよ!」と、話が尽きません。
今日は、そんな自然教室の体験を振り返り、自分の言葉でしっかりと記録していく作文作りに取り組みました。
1時間目には、学年合同で作文指導の時間を設け、国語科の教員から「生活綴方」の大切さや、文章にする際のポイントを学びました。
「楽しかった」「おいしかった」だけではなく、
「その時、どんなことを考えていたのか」
「どうしてその体験が心に残ったのか」
を、丁寧にふりかえって、じっくりと言葉を紡いでいくこと。
それが作文では大切だということを、子どもたちはしっかりと聞き取っていました。
指導の最後には、「世界を豊かに感じ取る力が自分だけの体験をつくり、世界を豊かに言葉で表現する力によって、書き手の物語を追体験させられるような作文になる」と声をかけられ、子どもたちはそれぞれ自分の心の奥に残る「自分だけの体験」、そして「自分だけの言葉」を探し始めました。
国語の時間では、これからしばらく子どもたちが自分の体験を自分の言葉で表現しようと向き合う姿が見られることでしょう。
子どもたち一人ひとりの感じたこと、考えたことは、どれもかけがえのない「その子だけの物語」です。
作文が完成した際には、ぜひご家庭でも、お子さんがどんなことを感じ、どんな思いを言葉にしたのか、一緒に読んで、語り合っていただければと思います。