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手話教室が始まりました!(3・4年生)

11月になりました。肌寒さとともに校庭の木々も少しずつ色づき始め、学びの秋が深まる中、本日3・4年生にとって特別な時間が始まりました。

毎年恒例となっている「手話教室」のスタートです。

 

今年も講師として、前原先生をお迎えすることができました。

そして、驚くべきことに、前原先生が本校で手話教室を開いてくださってから、今年でなんと25年目という大きな節目を迎えられました。

四半世紀もの間、変わらずに本校の子どもたちのために足を運び、貴重な学びの機会を提供し続けてくださっていることに、心からの敬意と感謝の気持ちを抱きます。

教室を覗いてみると、子どもたちの真剣な眼差しが印象的でした。

 

前原先生の手の動きや豊かな表情をじっと見つめ、伝えようとしていることを一生懸命に理解しようとしています。

また、自分たちも手話で何かを伝えたいと、新しい手話を一つひとつ熱心に覚える姿に感心させられました。

「伝える」ことの楽しさや大切さ、そして「伝わる」ことの喜びを、体全体で学んでいるようでした。

   

さて、少しだけ国語科の教員という立場から、感じたことをお話しさせてください。

私たちは普段、当たり前のように「声」に出して言葉を話し、耳でそれを聞いてコミュニケーションをとっています。これは「音声言語」です。

一方で、手話は「手」や「指の形」「表情」「体の動き」など、視覚情報を用いて表現する、れっきとした一つの『言語』です。

日本語に文法があるように、手話にも独自の文法や豊かな表現方法があります。音声言語とは異なる、しかし同じくらい奥深く、豊かな文化を持った「言葉」なのです。

子どもたちが今日、目を輝かせながら学んでいるのは、単なる「技術」ではなく、新しい「言葉」そのものです。

国語科では、「自分の考えを豊かに表現する力を身につける ~伝え合う力を高め自分の考えを広げる~」という教科目標を掲げ、言葉の力を育むことを目指しています。

子どもたちが手話に触れることは、まさにその「伝えたい」「理解したい」というコミュニケーションの原点に立ち返る、素晴らしい学びの機会だと感じています。

声に出す言葉も、手で示す言葉も、その根底にある「人とつながりたい」という温かい心は同じです。

この手話教室を通して、子どもたちが音声言語以外のコミュニケーションの豊かさ、そして多様な「言葉」で生きる人々の存在に思いを馳せ、他者への想像力を育んでくれることを願っています。

手話教室はこれから1週間にわたって続き、最終日には3.4年の兄弟学年合同の授業が行われます。

この貴重な出会いと学びが、子どもたちの世界をさらに広げてくれることでしょう。

ご家庭でも、ぜひ「今日はどんな手話を習ったの?」と、お子さんの小さな手が見せてくれる新しい表現に、注目してみてはいかがでしょうか。