日出学園の活動日記BLOG

人間と機械(倫理)#01~#07「人間と機械」編

人間とは何か?機械とは何か?人間と機械の今後の関係は?

このような疑問の答えを”探求”する、「情報Ⅰ」と「倫理」の学びを融合した学校設定科目「人間と機械(倫理)」を、日出学園では2023年度からスタートしました(以前は「倫理」として開講)。
4年生(高1)に履修した「情報Ⅰ」の内容を踏まえ、5年生(高2)の選択者が1年間学んでいきます。問題解決以外の視点から情報技術を扱うことは、情報科の学習の上でも効果的であると考えています(科目間の連携については、日出学園情報科を参照下さい)。

本科目では主に「心理学」や「哲学・宗教」の視点から「人間」「機械」の理解を深めていきますが、まず初めに「人間と機械」について幅広く考える時間を設けました。本ブログでは、各授業で取り扱った内容を紹介していきます(今年度は、年間の全授業をブログで取り上げる予定です)。

#01 人間とは何か?



【本時で扱ったこと】価値判断と事実判断、4つの産業革命、3回のAIブーム、機械破壊運動(ラッダイト運動)
初回のテーマは「人間とは何か」としました。倫理の教科書の1ページ目も、「人間とは何か」から始まります。
動物や機械との比較の中で、様々な意見が出ました。この授業では原則20分程度の座学の後、生徒達は4人1組のランダムなグループに分かれ、8分間の議論+7分間の発表を行います。
授業の終盤では、ChatGPTとの哲学対話に取り組みました。
<生徒の回答一部>
・動物とは違って理性を持ち、機械とは違って本能を持つもの。
・無駄が好きな存在
・人間とほかの動物や機械との大きな違いは感情を伴って泣くことができるかどうか
・自分を人間だと思っている存在

#02 機械に任せたいこと,任せたくないこと



「人間」に何を求めるかを浮き彫りにするべく、「機械に任せたいこと,任せたくないこと」と題したグループワークを行いました。「保育」「教育」「提案」「裁判」等の項目を「実現軸」「任せたい軸」の2つの座標軸に配置していき、各々の配置について共有します。
授業の後半では、各テーマにおいて現在実している技術について、ニュースサイトを調査しました。

<生徒の回答一部>
・運転や医療など、労働系は任せたいが、友人や家族など、自分の心の支えとなり得ることは任せたくない。
・人間関係はAIに任せたいが子育てなど人格形成に関わるものは人間がやるべき
・機械に仕事とか決められたらつまらない
・任せられるものはどんどん任せていきたい
※本内容は、筑波大学附属高校の2019年度研究大会における福元千鶴先生の実践をお借りしたものです。

#03 幸せとは?


【本時で扱ったこと】サルトル、エピクロス、J.S.ミル、アリストテレスなど「幸福」に関する哲学者の思想
倫理の教科書には「AIに導かれる人生は幸福か」と投げ掛ける「思考と対話」のページがあります。
前時の実習における「任せたい」「任せたくない」の裏側には、「自身の考える幸せのカタチ」があるのではないでしょうか。
高校生の多くは進路選択をはじめとして、多くの選択に悩まされます。
この選択を委ねることの是非について、議論をしました。

<生徒の回答一部>
・好きなことが出来ている時
・許し、許されている状態
・幸せとは何かを欲しているとき
・今現在幸せだと感じているのは過去にあった事象と比較した結果そう感じしている

#04~#06 「イヴの時間」を通して考える「人間と機械」の関係


【本時で扱ったこと】アシモフのロボット三原則、不気味の谷、フランケンシュタイン・コンプレックス
アニメーション映画「イヴの時間」を鑑賞しながら、「人間と機械」の関係性を議論しました。

#07 心の哲学~機械で心は作れるか?~


【本時で扱ったこと】チューリングテスト、中国語の部屋、コンピュータ機能主義、シンボルグラウンディング問題、哲学的ゾンビ
ChatGPTと会話をしていると、まるで人間のようにも感じられます。機械は心を持つのでしょうか?
「心」を深堀りする「心の哲学」について、機械と関連する分野を中心に扱いました。
<生徒の回答一部>
・私たち人間は非合理的で、機械には理解できないような行動をするので心を持っている
・心は相手のためにあるものであり、パターン行動は相手のためにするので私は心を持っていると思う。
・人間もそもそも人間が思うような心をもっていなく、機械が持つこともない。
・心は機械、生命問わず、知識や経験から作られるもの。

当たり前のように我々は「人間には心がある」と言いますが、心とは何なのでしょうか?
授業はこの後、「心の正体」を追求するべく、心理学編に入ります。